呼吸理学療法認定士に向けてどうやって勉強を進めていったらいいんだろう。
勉強法やおすすめのテキストを知りたいな。
そして絶対に呼吸理学療法認定士に受かりたい!
私は「第24回(2019年)3学会合同呼吸療法認定士認定試験」に初めて挑戦し、1発合格することができました。
そこで今回は、私が試験までに行った勉強方法と使用したテキストの紹介、試験の流れなどについてお伝えします。
自分が行った学習方法を振り返りながら、これから呼吸療法認定士を目指す方の参考になればと思います。
呼吸理学療法認定士を取得しようと思った経緯
救急に所属し5年が経過しました。
同じ部署内に、数名ほど呼吸療法認定士を取得したスタッフが在籍しており、呼吸障害が発生している患者さんに対して、様々なケアや活動を実施していました。
そのような活動を見ながら、私自身も「呼吸状態が悪化している患者さんに対して、より良いケアを提供したい」と思うようになり、呼吸療法認定士の取得に取り組みました。
1. 合格するために必要なオススメの学習方法
呼吸療法認定士を合格するにあたって、一番大切な勉強法はアウトプットすることです。
テキストや教材を読んでインプットしたつもりになっていても、いざ過去問などの問題を解いてみると、詳しいことを問われた時に解けない・わからないということが生じる可能性があるからです。
呼吸療法認定士の試験はマークシート方式です。
試験に出題される内容は、8月に行われる講習会で受け取る「認定講習会テキスト」の中から問題が出題されます。
「認定講習会テキスト」の中身は500ページを超え、内容も難しいです。
呼吸に関する情報が幅広く詳しく掲載されています。
そのため、問題を解くためには、テキストの内容を隅から隅までしっかりと理解して頭に入れておかなければいけません。
テキストを1回読んだだけでは、よほど頭のいい人でなければ問題は解けない、と断言してもいいくらいです。
そのくらい、難しいと感じました。
問題は内容の理解だけでなく、掲載されている数値を覚えておく必要があります。
例えば、適応基準だけでも複数の掲載があります。
・在宅(長期)酸素療法の適応基準
・成人例における人工呼吸の適応
・COPDの憎悪におけるNPPVの適応基準
・神経筋疾患のNPPVの適応
ここで注目したいのは、NPPVの適応だけでも、「COPDの憎悪時における〜」や「神経筋疾患の〜」と条件によって適応内容が違います。また、NPPVの保険適応は「急性の場合は?慢性の場合は?」などと幅広い知識と、それに対応する数値を頭に入れておかなければなりません。
「認定講習会テキスト」の中身は500ページを超えボリュームが膨大で内容も濃いため、どこからどのように頭に叩き込んでいけば良いか困惑すると思います。
そこで、過去問を解くことをオススメします!
とりあえず、まずはなんでも良いので「過去問題集」を入手し、問題を解いてみましょう。
もしかすると、はじめは全く解けないという状況もありえるかもしれません。
しかし、「何がわからないのか」を明らかにすることができます。
過去問を解くことのメリットその1
過去問を解くことで、解けなかった問題、つまり「何がわからないのか」が明らかになります。
解けなかった問題については、解けなかった原因を考えます。
問題内容を「知らないのか」、問題内容を「理解できないのか」、それともただ単に問題内容の「(数値などを)覚えられていない」だけなのか、その原因によってその後の対策が変わってきます。
「知らなかった」のであれば、該当する内容が書かれているテキストを読んで、まずは知ることから始める必要があると思います。
「理解できない」のであれば、理解できるようにネットで検索したり、他の教科書を調べ直したりする必要があると思います。
「覚えていない」だけであれば、紙に書いて常に見えるところに貼っておくなど、繰り返し復習することで、記憶に定着させる必要があります。
過去問を解くことのメリットその2
問題を解くことで、どの分野が苦手なのかも明らかになります。
「認定講習会テキスト」は、解剖・生理・疾患・呼吸器など多くの項目がある中で、どこから集中して学習すれば良いかの優先順位が立てやすくなります。
合格するためのオススメの学習方法:過去問を解く
「認定講習会テキスト」や本を読んでいるだけでは、インプットしたつもりでも、数値など細かいことを問われると答えられないことが出てきます。
また、テキストの全てに目を通したつもりでも「あれ、そんな記述あったっけ?」と、内容自体を覚えていないこともあり、テキストを読み返すということが何度もありました。
読むだけでは記憶は定着しにくいです。
過去問を解いているとわかるのですが、「認定講習会テキスト」の隅から隅まで網羅する必要があることに気付きます。
しかし、テキストを読むというインプットの作業で、隅から隅までを頭に叩き込むのは難しいです。
そのため問題を解いてアウトプットしつつ、解けない問題に焦点をしぼって「調べる、理解する、覚える」作業を繰り返していく方法が、効率の良いように感じました。
働きながら認定試験の準備・学習を進めるには、休みの日を勉強にあてるようになると思いますが、それでも時間が限られています。
少しでもアウトプットできるようにするため、早めに過去問題集を解き始めて、自分は何が理解できていないのか、何を覚えていないのかを把握し、そこを重点的に学習するようにしてみてください。
2. 呼吸療法認定試験までに私が使用したテキスト
私は「アステッキ」の「呼吸療法認定士 フルボックスパックプレミアム」を購入して、学習に利用しました。
「初めての受講で、どの教材がいいんだろう」と調べていたところ、検索で出てきたのが、アステッキのe-ラーニングです。
認定試験実施状況によると、例年の合格率は60%前後の推移となっています。
アステッキのホームページによると、e-ラーニング受講者の合格率は90%台となっていました。
「どうせ受験するなら、絶対に合格したい」という思いがあったため、合格率90%という文字に惹かれて、購入することを決めました。
アステッキの教材には様々な種類のセット販売があり、どれが良いかわからなかったため、すべての教材を網羅したセットを購入することにしました。
呼吸療法認定士 フルボックスパックプレミアムの内容
(2019年度版の内容となっています。)
- 動画専用テキスト
- 受験必修再現過去問集 337問(アプリ付き)
- 受験必修再現過去問集【応用編】340問(アプリ付き)
- 総まとめ演習問題集 390問
- 全国統一模擬試験 140問(10月投函)
結果的に「総まとめ演習問題集」は、ほとんど使用しませんでした。
「過去問集」と「過去問集【応用編】」の2冊で十分ボリュームがあります。
過去問を解いていて「理解や知識が不十分だな、もう少し問題をときたいな」と思った項目だけ、「総まとめ演習問題集」を開きましたが、解いたのは数問だけです。
アプリについて
おすすめポイントはアプリを使用して問題を解くことができる点です。
休憩時間などの空き時間を利用できました。
問題集や教科書はかさばって重さもあります。
気軽に持ち運べる大きさではありません。
その点、アプリは携帯さえ手元にあれば、空き時間にいつでも利用することができました。
読み込みに少し時間がかかりますが、最初の読み込み以外はスムーズに問題を解くことができました。
アプリの内容
「成績履歴」:
「すべて」「正解」「付箋」「不正解」のカテゴリーに分かれている。
カテゴリーを選択すると、そのカテゴリーごとの問題の一覧が表示される。
解いたことのある問題については正答か「○」誤答か「✖️」のマークが表示されている。
「付箋リスト」:
自分が気になる問題や、あとで見返したい問題に付箋をつけることができる。
付箋をつけた問題だけピックアップされ、問題に再チャレンジすることができる。
付箋をつけた問題を「成績履歴」から一覧をまとめて確認することができる。
「不正解リスト」:
不正解の問題だけピックアップされ、問題に再チャレンジすることができる。
不正解の問題を「成績履歴」から一覧をまとめて確認すことができる。
動画について
動画を視聴することで、8月の講習会で「認定講習会テキスト」を手に入れる前から、事前に予習をすることができました。
動画なので、視覚的に情報を得られてわかりやすいです。
しかし、基本的に試験の内容は「認定講習会テキスト」の中から出題されるので、テキストを読んで理解できる場合には、動画は必須ではないように思いました。
私の場合は、テキストの説明では「血液ガスの解釈」の固定酸についての理解が難しかったのですが、動画を見ることで理解することができました。
全国統一模擬試験について
10月の締め切りギリギリ前に問題を解いて投函しました。
結果はこちらです。
10月9日に問題を解いてポストに投函しましたが、試験は11月24日でしたので、試験まで1ヶ月ちょっと。。
その時期に、上記の結果です。
過去問題集が進んでいない状況で、模擬試験を受けましたがほとんど正答できませんでした。
正直「かなりヤバイ!!」
と危機感を持つことができ、学習時間を今まで以上に確保し、追い込みで問題集を繰り返し解いて勉強しました。
3. 呼吸療法認定士の認定証を取得するまでの流れ
(第24回(2019年)3学会合同呼吸療法認定士認定講習会及び認定試験の場合)
まずは、4月の申請から始まるのですが、
申請するためには、「受講資格」が必要となります。
私の時には、実務経験年数(2年以上)と、5年以内の認定委員会が認める学会や講習会の参加による単位の取得(12.5点以上)が必要でした。
また、各申請や受講・受験申し込みの案内が届くのですが、それぞれ注意事項を遵守し、提出書類を揃える必要があります。
案内をよく読み、その通りにしたがって進めていかないと試験を受けられないということになりますので、注意が必要です。
個人的に「要注意だな」と思った点は、試験結果通知が届いたあとです。
「合格」のお知らせが届いて、ほっとしてはいけません。
合格通知と一緒に届く案内には、「注)期限までに登録申請手続きをしなかった場合は、『3学会合同呼吸療法認定士』の有資格者とはなりません。」とあります。
呼吸療法認定士の有資格者、認定証を受け取るためには、必要書類を送付し、認定登録料を支払わなければならないのです。
思わず「合格」と通知が届いたらそれで終了!と思ってしまいそうですが、合格した皆さんは、「認定申請」を忘れないようにしてくださいね!
4. 呼吸療法認定士の認定証を取得するまでにかかった費用
・認定講習会¥20,000【テキスト代および消費税含む】
・受験料¥10,000【消費税含む】
・認定登録料¥3,000【消費税含む】
+α
申し込む前に5年以内に12.5点以上の講習会の単位も必要ですので、その講習会費用。
講習会や受験の時に、東京までの移動費・宿泊費等。
全て合わせると、結構な費用がかかります。(笑)
最後に
こちらが合格通知です。
そして、こちらが、認定証です。
この紙1枚を手に入れるのに、数万円の出費と多くの時間を勉強するために使いました。
正直、これで終わってしまっては、ただの紙切れだと思います。
今まで学習した内容を、実戦で活かせてはじめて意味があるものだと思います。
医学の知識や常識は、めまぐるしく変化しています。
今まで当たり前だと思っていたことが、実は非常識であることも多々あります。
自分の行っているケアが本当に現在のエビデンスとして正しいのかを疑いながら、今後も学習を継続していきたいです。
そして、呼吸が悪い患者さんのケアに少しでも役立つように、日々の看護ケアでアウトプットしていけたらと思っています。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
呼吸療法認定士を目指される方が、合格できるよう願っています。
おまけ
アクティブラーニング紹介
学習を効率的に進めるうえで、アクティブラーニングを取り入れると良いらしいということで、DaiGoさんの書籍「超効率勉強法」を購入しました。
そこには、今まで自分があたりまに行っていた学習法、例えば、「語呂合わせ」や「テキストの要約」や「テキストの再読」などは、やってはいけない!7つの勉強法として紹介されていました。
そして、効率的に勉強するにはどのようにしたら良いか、今から実践できる内容が紹介されています。
試験を受ける時には、この本を入手していなかったので、早めに手に入れて実践できてたらもっと効率良かったかな…と思ったので、参考までにご紹介いたします。